Organic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールが示す「噛み合わせ」と「歯並び」の違い。
口元の歯並びを美しくすることが、「噛み合わせ」の改善ではない!
目次
「噛み合わせ」の学問、ナソロジーの始まり。あごの関節の軸が「噛み合わせ」の起点。
今から約1世紀前の1921年、アメリカ、カルフォルニアの歯科医師マッカラム先生は「噛み合わせ」のスタート・ポジションが「あごの関節」であることを提唱しました。この考えは、「噛み合わせ」の学問:ナソロジーとって「エポックメイキング」となる重要な第一歩です。「噛み合わせ」は常に「あごの関節との調和」していなければならないという重要な意味があるのです。実に「噛み合わせ」と「あごの関節」は表裏一体の関係です。表の顔である「噛み合わせ」を私達は、口の中で見ることができますが、裏の顔である「あごの関節」の状態は、直接目で見ることができません。この裏の顔である「あごの関節」診ることができる唯一の方法は、当院で言うところの「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」です。「良い噛み合わせ」とは、この検査で「あごの関節の状態の良し悪しを調べて」初めて「良い噛み合わせ」と言えるのです。保険医療機関や歯科矯正専門医療機関では、通常、「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」がないため「良い噛み合わせ」を目指した治療は、行われていません。そのような理由で、歯科矯正専門医療機関は「噛み合わせ」を治しておらず、「歯並び:口元の美しさ」だけを治療目標にしているのです。これは、皆様にとっては驚きの事実だと思います!しかし、この事実は、ほとんど誰も知りません。歯科医師さえも「三種の神器の噛み合わせ検査」のない世界で治療を行っているため、「噛み合わせ」を改善することは「単に違和感のない状態で美し口元」を作ることと誤解しているのです。そのようなことから、保険医療機関や矯正歯科専門医療機関では、「噛み合わせ」は、「たった4つの悪い噛み合わせも自覚できない皆様の感覚」と「美しい前歯の歯並び」で決定しているのです。歯科医院でよく聞くやりとり「高いですか?高くないですか?大丈夫ですね?」がそれです。このように「検査も根拠も」ない状態で、皆様の噛み合わせは決まっているのです。その「噛み合わせ」は、皆様の個人的な感覚だけが許した「噛み合わせ」なのです。しかし、当院の歴史と伝統のある治療コンセプト、Organic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールに従えば「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」をもとに「誰にとっても良い噛み合わせ」というものはあるのです。このルールに従えば「歯の長持ち:歯周病の予防、歯の破折の予防」「顎関節症の治療」ができるのです。現在、歯の寿命は、身体の寿命より30年も短い状態と思います。しかし、多くの皆様は40歳以降に「歯周病」「歯の破折」で「歯を失う」ことを、「老化現象」「歯磨きの不十分」「歯ぎしり、食いしばり」「自分の歯の素質がもともと弱かった」などを理由に簡単に諦めていると思います。しかし「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」で構築した「良い噛み合わせ」であれば、硬い物を噛む、歯ぎしり、食いしばりをしても容易に「歯が割れたり」「歯周病」になったりはしません。「歯を失う」「顎関節症」になる現代の歯科治療の理由は、予防の概念が「歯磨き」しか世の中に知れ渡っていない事です!多くの人は(歯科医師も含め)、「噛み合わせ」で「歯の予防」ができる、「顎関節症」が治療できることをご存じありません。
裏の顔「あごの関節」の正体をあばく、当院の三種の神器を使用した「噛み合わせ」の検査は、以下のyoutubeでご覧頂けます。
「噛み合わせ」のメカニズムが良く分かる「ドアの軸理論」、Organic Occlusionの最重要ルール「すべての歯が同時に同じ強さで接触する」①
「噛み合わせ」「下あごの関節」の重要性をご理解して頂くには、私の考案した「ドアの軸理論」がお役に立てるかと存じます。「ドアの軸理論」:「回転して閉じる物には、軸がある(例:ドア、下あご)」。あごの関節=ドアの軸、下あご=ドア、上あご=ドア枠。ドアの軸は、ドアをドア枠に整然と収めます。もし、ドアに軸がなければ、ドアの開閉は無秩序になり、複数人で協力してドアをドア枠に「よっこいしょ」と合わせなければならなくなります。一方、軸である下あごの関節は、下の歯を、上の歯へ、正確に合わせることができます。このあごの関節が、嚙み合わせに秩序を作り、どこに噛み合わさるかをピンポイントに規制しています。ドアとドア枠は、平坦な面で合わさりますが、嚙み合わせは、奥歯がそれぞれ複雑な凹凸を持っているので、それらが互いにぶつからず、寸分違わずに噛み合うのは、まさに、神合わせの奇跡といえます。
当院の治療コンセプトOrganic Occlusionオーガニック・オクルージョンの最重要ルールは、この「あごの関節」と調和した「噛み合わせ」を作ることです。あごの関節と調和している「噛み合わせ」は、ドアの軸の閉鎖経路にクギのない状態で、ドアがドア枠に整然と閉じるイメージです。「噛み合わせ」でいうと、関節の軸の閉鎖経路にわずかに高くぶつかる歯がない状態です。あごの関節の軸の閉鎖経路を邪魔するものがない状態というのは、「すべての歯が同時に同じ強さで接触している」=「良い嚙み合わせ」です。一方、「悪い噛み合わせ」は、ドア枠にクギが落ちている状態です。噛み合わせで言うと、1本のわずかに高くぶつかる歯がある状態です。クギがある状態でドアを閉じると、クギが軸に近ければ近いほど「てこの力学のメカニズム」が生じ、「シーソー現象(てこ現象)」で、軸をひどく揺さぶり軸を破壊していきます。また、クギ自体も軸に近いと、ドアをしっかり閉じる力で、「てこの力学のメカニズム」である「くるみ割り器」のような力が強く働き、ドアの軸から遠いクギより、ドアの軸に近いクギは簡単に変形します。一方、1本のわずかに高くぶつかる歯がある状態で噛みしめると、軸である関節に近い奥歯ほど「てこの力学のメカニズム」が発生し、あごの関節を「シーソー現象(てこ現象)」でひどく揺さぶり、炎症を引き起こし「顎関節症になります」。また、嚙みしめた際、1本の高くぶつかる奥歯には集中的に「てこの力学のメカニズムであるくるみ割り器」のような噛む力が強く働き、簡単にこの奥歯を破壊してしまいます。この奥歯への暴力的な力は、体重の10倍にも及ぶといわれ、違和感を引き起こし、虫歯がないのにしみる痛む、歯ブラシを頑張っているのに進行し続ける歯周病、歯が欠ける、割れるという形で現れ、「結果として歯を失います」。1本のわずかに高くぶつかる奥歯は、皆様の自覚できない数ミリ~ミクロン単位のレベルで、「歯の失う原因」「顎関節症の原因」になるのです。そのため「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」で「わずかに高くぶつかる奥歯=軸に近いクギ」を発見することは重要です。このことは、噛み合わせの学問:ナソロジーの目的が、「歯を失う予防」「顎関節症の予防、治療」にあることを意味します。ドアの軸と関節の違いは、ドアの軸は開閉しかしませんが、関節はアイーンと前にも左右にも動き「あそび」があることです。もし、関節がドアの軸のように開閉しかしないなら、わずかに高くぶつかる奥歯があると以下の図と、模型の写真のような状態(ドアがクギの存在で完全に閉じない状態)になります。図の方を見て頂くと、シーソー現象(てこ現象)の成り立ちをご理解して頂けると思います。
あごの関節は、「あそび」があることで、わずかに高くぶつかる奥歯があっても、下あごの関節は下あごの歯と一緒にズレれて、わずかに高くぶつかる奥歯を許容し、全部の歯と噛み合わさることができます。(手品ですね!)しかし、このわずかに高くぶつかる奥歯を、あご関節がその「あそび」で許容してズレたことにより顎関節症になるのです!以下の写真が、わずかに高くぶつかる奥歯を許容した状態(下あごの歯と下あごの関節は、一緒にズレて、すべての歯が噛み合わさった状態。「噛み合わせ治療」とは、関節がズレない状態で、「すべての歯が同時に同じ強さで接触する」ようにしなければなりません。顎関節症治療のため!)。以下の写真は、上の写真と同一の患者様。上から下の写真のように「噛み合わせ」と「下あごの関節」が同時にズレているのです!
「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」を行う当院は、この状態を習慣的に「見える化」しているので、「根拠」を持って安全に「わずかに高くぶつかる歯=クギ」を「噛み合わせの調整(健康な歯のエナメル質を数ミリ~ミクロン単位でピンポイントに削る)」を行い除去します。そして、快適に噛める関節の軸で、「すべての歯が同時に同じ強さで接触する」ように仕上げ、「顎関節症の治療」「歯の予防」を行います。
ご興味のある方は、「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」YouTubeの動画をご覧下さい。
Part 1と2があります。各15分です。
皆様にとって歯は大切ですか?
研究によると、人の10人に9人は、元々、この「クギ」のある状態で永久歯が完成しているといわれています。そして、人は残念なことに、この「クギ」がある状態を簡単に自覚することができません。加えて、現代の歯科医療(保健治療、インプラント、矯正)は、治療前、治療中、治療後に「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」をしないため、この「クギ」をいつまでも発見することができず、それを取り除く知識や技術もないため、治療後もこの「クギ」が永遠に残り続けている状態なのです。悪い噛み合わせの上塗りがされても、多くの皆様はそれを自覚していません。口元が美しくなったことで、満足してしまうのです!悪い噛み合わせの影響は、永久歯が完成した中学生位から始まり、まず「顎関節症」として症状が現れます。一方、歯に対する症状は、虫歯がないのにしみる、痛む、歯周病、歯が欠ける、割れるなどで現れます。しかし、歯科治療の窓口である保険医療機関では「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」がないですし「理想の噛み合わせ」は「皆様の感覚」と「口元の美しさ」で決まるので、皆様が噛み合わせの違和感を訴えなければ「理想の噛み合わせ」は続いていると考えます。当院が「噛み合わせ」が原因と考える症状の対処法は、雛形が出来上がっているのです!なぜなら、そもそも「噛み合わせの良し悪し」が分からない状態で治療をしており、仮に「噛み合わせが悪い」場合に、何を診査すべきかわからないのです。しみる場合は、しみないようにお薬を塗る。ひどく痛む場合は、歯の神経を取ってしまう。歯周病は、皆様の「歯磨き」の仕方に問題があるとするor元々の骨の素質が悪いせいにする。歯が欠ける、割れる場合は「硬い物を噛む、歯ぎしり、食いしばりのせいにする」などです。
「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」のない、「噛み合わせの良し悪し」が分からない状態で治療を行っている「保険治療」や「矯正歯科治療」で、悪い噛み合わせの上塗りがされた場合、治療後に「顎関節症」が生じることがあります。また、40歳以降になって、悪い噛み合わせの「てこの力」によって「くるみ割り器」の力がいよいよ威力を発揮し、「歯周病」「歯が割れる」という目に見える形で現れ「歯を失う」ことがあります!しかし、皆様は、いよいよ自分にも「老化現象」が来たと考え、簡単に「歯を失うこと」を諦めることができるかもしれません。「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」のない、奥歯の悪い噛み合わせも自覚しにくい皆様の「感覚」に依存して作った「噛み合わせ」のつけが、ここに現れてきます。ほとんどの歯科医師が「噛み合わせ」の知識がなく、歯やあごの関節の症状が「奥歯の悪い噛み合わせ」と結びつかない事は残念なことです。歯科医師が、「噛み合わせ」に関して「検査も根拠もない」世界で仕事をし「かみ合わせの良し悪し」を知らずに「皆様の感覚」に依存して「噛み合わせ」を作っていることは大変残念なことです。そして、矯正専門歯科医師のゴールは、残念ながら皆様同様「噛み合わせ」ではなく、単に「口元がきれい」であれば良のです。皆様はたった4つの悪い噛み合わせを自覚できません。それは、歯科医師にとって非常に都合の良い事なのです!
改めて言及しますが「噛み合わせ」を診ることは、「あごの関節との調和」を診ることです。当院でいうところの「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」は、唯一それを知る方法です。当院のホームページに患者様の歯の模型の写真が沢山あるのは、まさに「噛み合わせ」は「検査」をしなければわからないとうことを意味しているのです。あごの関節に直接影響しないものは、すべて「歯並び」なのです。「噛み合わせ」という用語は、厳密には、あごの関節との調和に直接影響するものでOrganic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルール、「すべての歯が同時に同じ強さで接触する(中心位=中心咬合位)(早期接触がない=クギがない)」と「歯ぎしりした時、ぶつかる奥歯がない(アンテリアガイダンスがある、できれば犬歯誘導)」の2つだけを指します。これ以外の用語は、すべて「歯並び」に関連するものです。「噛み合わせ検査」を習慣的に行っていると、「噛み合わせ」という用語は、下あごに動きのある状態「食事、歯ぎしりをする」に関連して起こる「あごの関節との調和」を診ることだとわかります。つまり、それ以外は、すべて「歯並び」なのです。「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」をしていない歯科矯正専門医は、「検査」をしていないものを「改善」することはできないのです!皆様にとっては、治療前の検査が「噛み合わせ検査」だったのか、どうなのか?厳密にはわからないかもしれません。しかし、前項で記した三種の神器(フェイスボー、関節の軸で記録した噛み合わせのワックス、咬合器)のことを頭の片隅に残して下さい。
次に「皆様が自覚できない4つの悪い噛み合わせ」というものを、ここで、ご紹介しておきます。
18分のYouTubeです。よろしければ、ご覧下さい。
Organic Occlusionもう1つの重要なルール「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」②
「噛み合わせ」という用語を語る上で、Organic Occlusionオーガニック・オクルージョンのもう1つ重要なルールがあります。「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」です。このルールは、ナソロジーの創始者の1人であるスタラード先生によって提唱されました。このルールもマッカラム先生が提唱した、噛み合わせのスタート・ポジション「あごの関節」に直接影響を及ぼす事象です。
当院の「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」の模型分析6分のYouTubeをご覧頂くと、このルールが直接あごの関節に影響を及ぼしていることがわかり「すべての歯が同時に同じ強さで接触する」と共に「良い噛み合わせ」にするための重要な2つのルールの内の1つなのです。上段の写真は、当院「噛み合わせ矯正歯科治療」前の写真で「歯ぎしりすると、奥歯がぶつかる」状態です。下段の写真は、治療後の状態「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がない」状態です。Organic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールを重視する当院では、この重要な「悪い噛み合わせ」を正確に改善することを目的としています。しかし、矯正歯科専門医療機関の治療後においても「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」の状態は改善されていないことは普通にあります。なぜなら、ほとんどの歯科医師の治療のゴールが「皆様の感覚」と「美しい口元」だからです。しかし、皆様はこの悪い噛み合わせ自体を、残念ながらご存じなく、また、治療後も、自覚できません。口元の美しさにだけに魅了されているのです。歯ぎしりは食物をすり潰すのと関連するため、奥歯がぶつかり続けるのは当然と皆様は、想像するかもしれません。しかし、理想的には歯ぎしりする時、奥歯がぶつかるのは真っ直ぐ閉じた位置に戻ってきた時だけなのです。もし、ぶつかる奥歯があると、横殴りの力で上下の奥歯同士が互いに破壊し合います。そして、「歯周病や破折」を引き起こします。このルールのやっかいなところは、1本の歯を失っても、ぶつかる奥歯が無くなるまで標的の歯を変えて、根こそぎ奥歯を喪失させることです。同時に、ぶつかった奥歯は前歯と顎関節の中間で、てこの支点となり、あごの関節を上下に揺さぶり、顎関節症を引き起こします。例えば、おろし金やすり鉢など、他方がやわらかい野菜やゴマであれば、安全にこすり合わすことができますが、凹凸のある、せともの同士や、金属同士をすり合わせれば、傷害的に作用することが想像されるます。 奥歯がぶつからないためには、歯ぎしりした時、前歯が常にあたり続けることが必要です。なぜなら、これは、前歯が奥歯を守る機能だからです。前歯には凹凸はなく、噛む力も奥歯より弱いということが、前歯が奥歯を守る上で都合が良いのです。
30代、40代で早くも総入れ歯になっている人は、この悪い噛み合わせが原因の場合が多いと思います。
Organic Occlusionのルール「奥歯がしっかり噛み合わさっている」③
Organic Occlusionのルール3つ目は、「奥歯の凹凸がルールに従ってしっかり噛み合わさっている」です。一般の人の通常の歯の「噛み合わせ」は、1歯対2歯ですが、この場合、歯の山の頂上が、隣接する歯の接触を分かち、食べかすが、歯と歯の間に押し込まれやすくなるため、当院の噛み合わせ矯正歯科治療では、可及的に1歯対1歯で噛み合わせを作るようにしています。
4枚の内の最初の2枚は、当院「噛み合わせ矯正歯科治療」前の写真です。外側から噛み合わせを眺めると、それなりに噛んでいるように見えますが「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」で噛ませた模型を内側から見ると全く噛んでいないことがわかります。このように歯の「噛み合わせ」は「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」で歯の模型を咬合器に取り付け、かみ合わせた模型を内側から診査しないと「まったく見当違い」な場合があるとわかります。4枚の内の最後の2枚は、当院「噛み合わせ矯正歯科治療」後の状態を示します。このように奥歯には凹凸があり、この凹凸がしっかりはまり込む位置には、ルールがあります。それにより、歯の長軸へ噛む力がしっかりと伝達され、歯に横殴りの力がかかるのを防止します。また、噛み合わせが安定し、矯正歯科治療後の後戻りを予防します。従来の矯正歯科治療は、外側からだけ眺めて治療をするため、全く見当違いな状態に噛み合ってしまう場合があります。歯の正しい噛み合わせは、噛み合った模型を内側から眺めて見なければ、わからないのです!また、安定した奥歯のかみ合わせの高さは、前歯や顎関節を保護します。(この状態を作ることができるのは、治療中に繰り返し「三種の神器を用いた噛み合わせの検査」を行いアップデートしているからなのです。)また、小臼歯の抜歯矯正を行う場合、前歯が突出している片側だけのあごの歯を抜歯した場合、上下の歯の歯数が異なるためこのルールは適用できなくなります。
歯とあごの関節に影響を及ぼさない良い噛み合わせを「根拠」を持って作ることは、歯科医師本来の仕事。
「歯の長持ち」、「あごの関節の健康維持」を真剣に考え、約1世紀前にOrganic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールを提唱した熱い男達の物語は、私のYouTubeチャンネル、「かみ合わせ Oganic diary」で紹介させて頂きました。そして、彼らは、矯正歯科治療のようにすべての歯を動かす目的と、その最低条件は、身体の健康に重要な軸の1つである「関節の軸」で、すべての歯が同時に均等に接触するようにすることであると謳っています。なぜなら、ただ単に歯を並べるだけでなく、正しくかみ合わせ作ることが、「歯の長持ち」「あごの関節の健康維持」に直接つながっているからです。また、「身体の健康(体幹)」に重要な軸の1つである「あごの関節の軸」が、ズレたり、揺さぶられないように「噛み合わせ」を作ることは、姿勢、肩こり、首が回らない、頭痛、首の痛み、腰痛など「身体の不調和」の予防になります。矯正歯科治療は、すべての歯を移動しています。皆様のオリジナルの「噛み合わせ」は残らない、噛み合わせを完全にリセットできる治療なのです。そのため、矯正歯科治療は、すべての歯科治療の中で、最も「歯の健康」「あごの関節の健康」「身体の健康」に重大な影響を及ぼす可能性があります!それにも関わらず、歯を並べただけの口元の見た目重視のためだけだとしたら、患者様にとって大きな損失ではないでしょうか?
ここで改めて「関節の軸と調和した理想の噛み合わせ」Organic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールを述べます。
1「すべての歯が同時に同じ強さで接触する」
2「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がない」
3「奥歯の凹凸がルールに従ってしっかり噛み合わさっている」
これら3つのルールの他に、当院では独自に「身体の正中を基準として概ね左右対称に歯とあごを配置する」という合計4つのルールを設けて「噛み合わせ矯正歯科治療」を実施しています。
「健康」を実現する伝統と歴史のあるこれらのルールを実践するには、当院でいうところの三種の神器を使用した「噛み合わせ検査」を繰り返し行う必要があります。「見た目重視」も結構ですが、「健康」を作ることが歯科医師の本来の仕事であり、理想の噛み合わせを知るなら歯の長持ちのために妥協することはできません。それを達成する技術がなければ、皆様の感じる一番小さな症状「歯の違和感」さえも、「少し様子を見て下さい!」というしかないのです。
2025/4/26 この記事の執筆者:
福永 矯正歯科・歯科口腔外科
院長:福永秀一
経歴:
1991年 明海大学歯学部卒業
1995年 明海大学歯学部大学院歯学研究科修了:歯学博士の学位取得
1998年 日本歯科麻酔学会認定医取得
1999年 日本口腔外科学会専門医取得
明海大学歯学部口腔外科学第一講座助手
2000年 明海大学歯学部口腔外科学第一講座講師
2002年 羽生総合病院口腔外科部長
2012年 IPSG包括歯科医療研究会VIP会員
2024年 福永 矯正歯科・歯科口腔外科 開設