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間違いだらけの顎関節症の原因を再考する!

顎関節症の原因は、様々と言われています。本当にそうなのでしょうか?

顎関節症の原因は、歯科医師により「噛み合わせ」以外の原因が多く挙げられ、多くの要因によって発症していると言われていますが、本当に、そうなのでしょうか?当院では、顎関節症の原因は歯科医師だけが原因から治療することができる「噛み合わせ」だと考えています。実際、当院がいうところの「三種の神器(フェイスボー、関節の軸で噛み合わせを記録したワックス、咬合器)を用いた噛み合わせ検査」を行えば「あごの関節との調和」を診ることができるため「噛み合わせ」と「あごの関節」が表裏一体であることは一目瞭然です。そのため、「噛み合わせの良し悪し」は「あごの関節との調和の良し悪し」と同じ意味と言えます。ネット上の検索で、多くの歯科医師が「噛み合わせ」以外の原因を主張し、たとえ、治療により顎関節症が治らなくても、どうにとでも言い訳できるものにしていることに違和感を感じます。検索サイトであるグーグルも過去のデータをもとに顎関節症の原因を収載しています。その大勢を占める発信元の保険医療機関や矯正歯科専門医療機関は「噛み合わせ」を正確に理解しているのでしょうか?当院が、そう考える理由は、4つあります。1つ目は、保険医療機関、矯正歯科専門医療機関では、そもそも「噛み合わせ」と「あごの関節との調和」を調べる当院が言うところの「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」がないことです。そのため、この検査で唯一知ることができる「顎関節症を引き起こす、皆様が自覚できない悪い噛み合わせ」を評価、治療の対象としていません。2つ目は「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」がないことから保険医療機関、矯正歯科専門医療機関では「理想の噛み合わせ」が「悪い噛み合わせも自覚できない皆様の感覚と口元の美しさ」で決まることです。皆様が、歯科でよく聞くやりとり「高いですか?高くないですか?大丈夫ですね?」という、単に「皆様が感覚的に違和感がない」ことを口頭でやりとりしただけで「噛み合わせ」と「あごの関節との調和」は全く診ていません。これは「健康診断」で「検査」を実施せず、口頭で身体の健康状態を伺って、異常なしと判断しているのと一緒です。3つ目は、保険医療機関や矯正歯科専門医療機関が「噛み合わせ」が単に「違和感のない美しい口元」としていることから「噛み合わせの改善」は「前歯の歯並びをきれいにすること」と勘違していることです。しかし、「前歯の歯並び」は「噛み合わせの良し悪し」と直接、関係ありません。4つ目は、顎関節症の原因を「噛み合わせ」と関係させてしまうと、行った治療のせいで顎関節症になってしまったといわれかねないことです。このような現状を考えると、保険医療機関や矯正歯科専門医療機関が「噛み合わせ治療」と称して顎関節症を治療しても治らないのは当然の事なのです。

当院が顎関節症の原因と考える「噛み合わせ」。「噛み合わせ」の理解に役立つ「ドアの軸理論」。

     ドアの軸=下あごの関節、ドア=下あご。

ネット上では、ほとんど「前歯の歯並び」が「噛み合わせ」として説明されています。皆様が、矯正歯科治療で「前歯の歯並び」を改善することが、噛み合わせを改善できると錯覚する原因になっています。「噛み合わせ」で一番重要な部位は、あごの関節です。なぜなら、あごの関節が噛み合わせのスタートポジションだからです。「噛み合わせ」とは、「あごの関節との調和」を診ることです。「良い噛み合わせ」とは「食事や歯ぎしり」で「あごの関節に生じるてこ現象(シーソー現象)」がない状態です。「噛み合わせ」という学問は、歯がある人を対象とし「あごの関節に生じるてこ現象(シーソー現象)」を検査し、除去する学問です。このてこ現象(シーソー現象)を知る唯一の方法は、当院でいうところの「三種の神器(フェイスボー、関節の軸で噛み合わせを記録したワックス、咬合器)を使用した噛み合わせ検査」です。そのため、この検査を通常、行わない保険医療機関、矯正歯科専門医療機関では「噛み合わせ」や「顎関節症」を治療できません。「検査」で「噛み合わせの良し悪し」を評価していないものを「治療」することはできないのです。そのような理由で皆様の「噛み合わせ」は、「検査による根拠」もない「奥歯の悪い噛み合わせも十分自覚できない」皆様の「感覚」だけで決まっています。皆さまの「感覚」で決めた「噛み合わせ」とは、皆様が歯科医院で良く聞くやりとり「はい、カチカチ噛んで」「高いですか?高くないですか?大丈夫ですね」がそれです。矯正歯科治療の場合、ゆっくりとかみ合わせが決まるので、そのやりとりさえないかもしれません。数年かけた治療の集大成の「噛み合わせ」が、そんな単純なやりとりで、いとも簡単に決まっているのです。三種の神器を用いた噛み合わせ検査で、皆様が自覚できない4つの悪い噛み合わせを評価、治療していない皆様の「噛み合わせ」は、「歯が長持ちする」「顎関節症にならない」という保証はないのです。まずは、皆様に「噛み合わせ」が「あごの関節との調和を診ること」であるということを正しく理解して頂くために、当院の「三種の神器を使用した噛み合わせ検査」の模型分析をご覧頂きます。

このYouTubeをもとに、私の考案した「ドアの軸理論」をご一読頂きます。
噛み合わせの出発点は、関節です。なぜなら、回転して閉じるもの(例:ドア、下あご)には、軸があります。関節は、ドアでいうところの軸です。ドアの軸は、ドアをドア枠に整然と収めます。もし、ドアに軸がなければ、ドアの開閉は無秩序になり、複数人で協力してドアをドア枠に「よっこいしょ」と合わせにいかなければならなくなります。一方、軸である下あごの関節は、下の歯を、上の歯へ、正確に合わせることができます。このあごの関節が、嚙み合わせに秩序を作り、どこに噛み合わさるかをピンポイントに規制しています。ドアとドア枠は、平坦な面で合わさりますが、嚙み合わせは、奥歯がそれぞれに複雑な凹凸を持っているので、それらが互いにぶつからず寸分違わずに噛み合うのは、まさに、神合わせの奇跡といえます。歯科治療の原則は、噛み合わせの始まりであり、秩序をもたらしている関節と調和した噛み合わせを作り、てこ現象(シーソー現象)を生じない「すべての歯が同時に同じ強さで接触する噛み合わせ=良い噛み合わせ」を作ることです。なぜなら、「噛み合わせ」は、皆様の毎日の「食事」「歯ぎしり」に深く関わっています。てこ現象(シーソー現象)を生じない「良い噛み合わせ」は問題ありませんが、その逆の「悪い噛み合わせ」は、「食事」「歯ぎしり」の度に、少しずつ、わずかにぶつかる奥歯とあごの関節の双方にてこ現象(シーソー現象)でダメージを与え、「顎関節症」「歯を失う」原因になります。次にドアと「かみ合わせ」を比較しててこ現象(シーソー現象)説明します。

 「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない」悪い噛み合わせは、なぜ、「歯を失い」「顎関節症の原因」となるのか?

「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない」悪い嚙み合わせは、あごの関節にてこ現象(シーソー現象)を引き起こす悪い噛み合わせです。この状態の例としては、ドア枠にクギが落ちている状態です。噛み合わせで言うと、1本のわずかに高くぶつかる歯がある状態です。このクギがある状態で毎日のドアの開閉を行っていると、クギが軸に近ければ近いほど、てこ現象(シーソー現象)を引き起こし、軸をひどく揺さぶり軸を破壊していきます。また、クギ自体も軸に近いと、ドアを閉じる際に、てこの原理であるくるみ割り器の力が強く働き、ドアの軸より遠いクギより簡単にクギは変形します。一方、毎日の食事で1本のわずかに高くぶつかる歯があると、軸である関節に近い奥歯ほど、てこ現象(シーソー現象)であごの関節をひどく揺さぶり、炎症を引き起こし、顎関節症の原因になります。また、嚙みしめた際、高くぶつかる奥歯には、てこの原理であるくるみ割り器の力が強く働き、簡単にこの奥歯を潰します。このわずかに高い量は、数ミリ~ミクロン単位です。てこ現象(シーソー現象)の恐ろしいところは、小さな支点で大きな下あごを動かし、このレベルで「顎関節症」「歯を失う」ことになるからです。奥歯への暴力的な力は、まず、違和感を引き起こし、虫歯がないのにしみる痛む、歯ブラシを頑張っているのに進行し続ける歯周病、歯の破折という形で現れ、結果として歯を失う原因になります。一方、奥歯に1本わずかに高くぶつかる歯がある場合、ぶつかった瞬間は以下の図のようになります。わずかに高くぶつかる奥歯は、前歯と関節の中間でてこの支点(シーソーの支点)となって、関節を上下に揺さぶるてこ現象(シーソー現象)を引き起こします。これが、徐々に関節に炎症と軟骨のズレを引き起こし、顎関節症の原因となります。このように奥歯とあごの関節には、その影響がセットで出現するので、奥歯と関節は、表裏一体の関係にあるといえます。以上のことを踏まえると「悪い噛み合わせ」とは、てこ現象(シーソー現象)を引き起こす奥歯を指します。それ以外は、すべて「悪い歯並び」となります。

     関節とドアの軸の違い。関節と調和していない嚙み合わせの全身への影響。関節と調和していない噛み合わせが生じる原因。

ドアの軸と関節の違いは、ドアの軸は開閉しかしませんが、関節はアイーンと前にも左右にも動き「あそび」があることです。この「あそび」があることで、わずかに高くぶつかる奥歯を、下あごの歯と下あごの関節は同時にズレて、全部の歯と噛むことができます。そのため、すべての歯が噛み合わさった後は、わずかに高くぶつかる奥歯がどの歯であるかを隠してしまいます。すべての歯が噛み合わさった時、関節と調和した噛み合わせかどうかの答えは、目で確認できない関節がズレたかどうかにあります。しかし、実際には、下あごの歯と下あごの関節は、同じ下あごであり一体となって動くので、下あごの歯がズレたことを証明できれば、関節もズレたことを証明できます。発見すべきは、あごの関節の閉鎖経路を邪魔するわずかに高くぶつかる奥歯です。これが、発見できれば、Organic Occclusionオーガニック・オクルージョンのルール「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない=悪い噛み合わさせ」です。次のyoutubeは、あごの関節の閉鎖経路を邪魔するわずかに高くぶつかる奥歯を発見し、その奥歯の影響で下あごの歯がズレて、あごの関節もズレたことを証明した「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない=奥歯の悪い噛み合わせ」です。

また、「ドアの軸理論」で重視する関節の軸は、身体の健康(体幹)にも重要な軸であり、悪い噛み合わせのてこ現象(シーソー現象)で、あごの関節の軸を揺さぶることにより姿勢や、肩こり、首の痛み、首が回らない、顔の歪み、頭痛、腰痛など全身に影響します。このような関節と調和していない、わずかに高くぶつかる奥歯を持つ噛み合わせになる原因は、皆様が元々自覚できない悪い噛み合わせや歯科治療(詰め物、被せ物、インプラント、矯正歯科治療)です。人の10人に9人は、元々「ドア枠にクギがある状態」といわれています。そのため、ほとんどすべての人が、噛み合わせ治療の対象であるともいえます。歯磨きによる予防が一般化した現代においても、未だ歯を失い、インプラントや良質な入れ歯を求めて彷徨っている患者様が多いのは、その結果ともいえます。また、現代の歯科治療も、とことん安いものに価値を求める結果、ファストビジネス化(早い、安い、簡単)しており、かみ合わせの良し悪しを知る検査を行わないため「歯の長持ち」「あごの関節の健康維持」の保証はありません。そのため、皆様は、かみ合わせ検査のない治療で作られた「かみ合わせ」に神経を研ぎ澄ます必要があります。「ハイ、カチカチ噛んで」「高いですか?高くないですか?大丈夫ですね。」と皆様の「感覚」だけに頼った結果、「悪いかみ合わせ」は作られていくのです。現代の歯科治療では、噛み合わせで歯の予防をしたり、顎関節症を原因から治療することはできないため、「噛み合わせ」という学問の目的を知る先生すらいません。そして、顎関節症の原因に「嚙み合わせ」が関係ないとすら言う先生もいらっしゃいます。矯正歯科治療では、すべての歯を移動していますので、嚙み合わせを完全にリセットできるため、いくらでも理想の噛み合わせになるチャンスがあるのです。それにも関わらず、従来の矯正歯科治療が、「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」をせずに、皆様の「感覚」だけで「噛み合わせ」を決めていることは大きな損失です。治療後の「歯の長持ち」「顎関節症にならない」の保証はないのです。しかし、マウスピース矯正を初め、ほとんどの矯正歯科治療において、「関節の軸」で噛み合わせが作られることは、ほとんどありません。なぜなら、正確な噛み合わせを作るには、「噛み合わせ」の専門的な知識と技術を要し、治療のハードルが一気に上がります。患者様の健康な歯のエナメル質を数ミリからミクロン単位にピンポイントに削る「噛み合わせの調整」が不可欠なため、根気よく、時間をかけて治療を行う必要があるからです。以下に、当院で顎関節症を噛み合わせで治療し、治療後に姿勢が改善したケースを供覧します。正面と側面からです。上段が、術前、下段が術後です。



口元の悪い歯並びは、顎関節症の原因になるか?

以下は、皆様もよく知る代表的な口元の悪い歯並びです。これらの悪い歯並びを当院は、顎関節症の原因になる「悪い噛み合わせ」とする理由は、Organic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルール:皆様が自覚できない4つの悪い噛み合わせの1つ「歯ぎしりすると、奥歯がぶつかる」からです。

上図の「出っ歯」は、下あごが小さいので、下の前歯が、上の前歯にあたらないため、 「歯ぎしりすると、奥歯がぶつかる」悪いかみ合わせです。

上図の受け口は、下の前歯が上の前歯を追い越して当たらないため、「 歯ぎしりすると、奥歯がぶつかる」悪いかみ合わせです。

上図の開咬は、口を閉じても上下の前歯があたらないため、「 歯ぎしりすると、奥歯がぶつかる」悪いかみ合わせです。

上図の「八重歯」は、糸切り歯(犬歯)が、かみ合せわに参加していない状態です。このため、左右に歯ぎしりしても、犬歯同士は、あたることができません。そのため、 「左右に歯ぎしりすると、奥歯がぶつかる」悪いかみ合わせです。
以下は、当院で「噛み合わせ矯正歯科治療」で治療した受け口の患者様の治療前/治療後の写真です。上段の治療前の写真を見ると、効果的に前歯が接触せず、「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯のある」状態になっています。そして、この状態により「あごの関節にてこ現象(シーソー現象)」が発生するのです。下段の写真では、治療により前歯があたり続けることで奥歯を十分に離し、「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がない」状態になっています。そして、この状態は「あごの関節にてこ現象(シーソー現象)を発生しません。


結論として、以上4つの皆様が良く知る口元の悪い歯並びは、当院が悪い噛み合わせと考える「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」状態であり、顎関節症の原因になります。

精神的なストレスが招来する「硬い物を噛む」「歯ぎしり」「食いしばり」は顎関節症の原因になるか?

歯が、欠ける、割れると、その理由として、保険医療機関の歯科医師は、「硬いものを噛んだ」「歯ぎしり」「食いしばり」を原因として挙げます。ほんとうにそうなのでしょうか?それなら、「良い噛み合わせ」にする意味はあるのでしょうか?そもそも、保健歯科医療機関、矯正歯科専門医療機関では、通常、「三種の神器を用いた噛みわせ検査」は行いません。そのため、「噛み合わせ」の決め方は、前述したように、「奥歯の悪い噛み合わせも十分自覚できない」皆様の「感覚」で決まります。「検査」もなければ「根拠」もなく「歯を失わない」「顎関節症にならない」保証はありません。そのため、患者様の歯が破折した時に保険医療機関の歯科医師が挙げる理由「硬いものを噛んだ」「歯ぎしり」「食いしばり」は、「噛み合わせ検査」をしない保健治療のレベルの話になるため、ベースとして「すべての人は奥歯に悪い噛み合わせを持つ」という前提で話をしているのかもしれません。しかし、「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」を行なった治療では、あごの関節にてこ現象(シーソー現象)を引き起こさない「良い噛み合わせ」になっていますので、必ずしも「硬いものを噛む」「歯ぎしり」「食いしばり」をしても顎関節症にはなりません。
一方、保険歯科医療機関、矯正専門医療機関における、通常、三種の神器を用いた「噛み合わせ検査」を行なっていない医療機関の治療を受けている人では、「良いかみ合わせ」になっている保証はありません。また、研究によると人の10人に9人は、元々、奥歯の悪い噛み合わせがあると言われており、「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない=わずかに高くぶつかる奥歯がある」の状態です。「硬いものを噛む」「食いしばり」で、わずかに高くぶつかる奥歯(ドア枠のクギ)が残っている状態なので、その歯を支点として、あごの関節にてこ現象(シーソー現象)が生じ顎関節症の原因になります。以下の写真は、一度も、保健医療機関や矯正専門医療機関で治療を受けていない患者様の写真です。元々、「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない」状態の「噛み合わせ」でした。この場合、顎関節症の原因になります。患者様は、この「悪い噛み合わせ」を自覚していませんでした。

また、同様に「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯」があれば、この理由であごの関節にてこ現象(シーソー現象)が生じるため顎関節症の原因になります。以下の写真は、一度も、保険医療機関や矯正歯科専門医療機関で治療を受けていない患者様の写真です。元々「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」状態の「噛み合わせ」でした。この場合は、顎関節症の原因になります。患者様は、この「悪い噛み合わせ」を自覚していませんでした。

結論として、「硬い物を噛む」「歯ぎしり」「食いしばり」は、「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」を「根拠」に治療した、「あごの関節に、てこ現象(シーソー現象)」を引き起こさない「良い噛み合わせ」であれば、「硬い物を噛む」「歯ぎしり」「食いしばり」をしても顎関節症の原因にはなりません。一方、通常、「三種の神器の噛み合わせ検査」のない、保険医療機関、従来の矯正歯科医療機関の治療や、「治療中、特に治療後に三種の神器の噛み合わせ検査」のない治療は「あごの関節に、てこ現象(シーソー現象)」を引き起こさない「根拠」を「検査」で示していないため顎関節症になる可能性があります。

ストレス、姿勢の悪さ、運動不足、外傷が顎関節症の原因になるのか?

基本的に当院は、顎関節症の治療は、歯科医師が責任を持って行うべき治療と考えています。なぜなら、顎関節症は、「噛み合わせ」が原因であり、これを原因から治療できる責任者は、歯科医師だけだと信じているからです。しかし、「噛み合わせ検査」のない保険医療機関、矯正歯科専門医療治療では、通常、根拠を持って「良い噛み合わせ」を作っていないため、顎関節症に対して「対症療法」しか行うことができません。それでは、顎関節症の治療が「整体クリニック」と同レベルなのです。ネット上では、顎関節症治療のページに「整体クリニック」がスポンサー付きで参入しています。これは、現在の顎関節症の治療レベルが、「歯科医師」と「整体」が同レベルであることを示しています。これまで、「三種の神器を使用した噛み合わせ検査」による「あごの関節にてこ現象(シーソー現象)」を引き起こさない「良い噛み合わせ」を「検査で根拠」を患者様にお示しし「良い噛み合わせ」を作り、「顎関節症」の患者様の笑顔を拝見してきました。この経験を踏まえてストレス、姿勢の悪さ、運動不足、外傷が顎関節症の原因になるのか?をご説明します。
これらの事柄に関しては、たまごが先か?にわとりが先か?と同様に思います。ストレス、姿勢の悪さ、運動不足に関して言えば、これらが顎関節に直接的に悪影響を及ぼすことはないと考えます。これらを原因として取り上げることは「いわゆる都市伝説」を語っているようなものです!顎関節症の原因には何を主張しても許されるという状態です!ストレスについて言及すれば、ストレスから「歯ぎしり」「食いしばり」は、生じるかもしれません。なぜなら、「歯ぎしり」「食いしばり」は、ストレスの発散行為といわれているからです。しかし、前項で述べたように「三種の神器を用いた噛み合わせ検査で根拠」を示した「良い噛み合わせ」では、「歯ぎしり」「食いしばり」で「あごの関節にてこ現象(シーソー現象)」は生じないため、必ずしも顎関節症になるとはいえません。
一方、顎関節に対する外傷については、原因が、「噛み合わせ」ではなく、「事故」で生じているものなので、そもそも顎関節症の原因の対象外になると思います。また、その診断名も顎関節症と一線を引くべきであり、「外傷性顎関節炎」と呼ぶべきものです。保険医療機関である病院口腔外科で30年以上、総合病院口腔外科部長として20年以上の勤務、経験のある私にとっては、一般的な保険医療機関の口腔外科は、「噛み合わせ検査」がないことから、顎関節症の原因をそもそも「噛み合わせ」と考えていません。そのため、口が開かいない、開くとき痛い、音が鳴るものはすべて「事故による外傷」で生じたものでもなんでも、すべて顎関節症と名付けてしまいます。しかし、私にとっては、「顎関節症は噛み合わせ」「外傷性顎関節炎は事故」と考え、治療経過を診ます。外傷であれば、症状は外傷の程度にもよりますが、2週間位で緩和してくると思います。その後、患者様が症状を長く訴える場合、事故前に、顎関節症状がなかったかを問診し、必要に応じて噛み合わせを診査し、現在の「噛み合わせ」が、顎関節にどの程度の影響を及ぼす可能性があるかを考慮します。そして、患者様に残っている顎関節の症状が、「事故による外傷」と「噛み合わせによる顎関節症」のどちらの要因に重きがあるかを考えて答えて結論を出します。これは、時として明確な答えが出ない場合もあります。
結論として、ストレス、姿勢の悪さ、運動不足、外傷は、直接、顎関節症の原因にはならないと思います。

睡眠不足、食事、喫煙は顎関節症の原因になるのか?

睡眠不足については、ストレスと同様で、「歯ぎしり」「食いしばり」を招来する可能性があります。しかし、「検査で根拠」を示した「良い噛み合わせ」では、「歯ぎしり」「食いしばり」をしても「あごの関節にてこ現象(シーソー現象)」は、生じないため顎関節症になるとはいえません。また、食事については、硬い物、しつこい食べ物(おせんべい、ピーナッツ、お肉)を好んで食べる傾向のある方は、あごの関節にストレスはあるかもしれません。しかし、「検査で根拠」を示した「良い噛み合わせ」であれば、食事で簡単に顎関節症になることはないと思います。喫煙は、直接、顎関節に影響を与えるもではないですし、どちらかというとストレス発散行為だと思いますので顎関節症の原因ではないと考えます。
結論として、睡眠不足、食事、喫煙は顎関節症の直接の原因にはならないと思います。

頬杖、うつぶせ寝は顎関節症の原因となるのか?

頬杖、うつぶせ寝は、顎関節を圧迫するため、顎関節症の原因となる可能性があります。「悪い噛み合わせ」は、「あごの関節にてこ現象(シーソー現象)」を引き超すため、毎日の「食事」「歯ぎしり」でゆっくりと顎関節症を引き起こします。一方、頬杖、うつぶせ寝は、直接的な顎関節への圧迫になるため「急激」に症状が生じる場合があると思います。しかし、頬杖、うつぶせ寝を継続しなければ、症状は一過性に終わると思います。あとは、皆様の「噛み合わせの良し悪し」によると思います。
結論として、頬杖、うつぶせ寝は、顎関節症の急性症状を引き起こす可能性があります。

TCH(歯の接触癖)は、顎関節症の原因となるのか? TCH(歯の接触癖)は「悪い噛み合わせ」で生じる!

人が、歯を接触させる癖がある場合、基本的に「悪い噛み合わせ」があると思います。そのため「三種の神器を使用した噛み合わせ検査」で調べ、治療する必要があると思います。歯の接触癖のある場合、当院の治療コンセプトである「理想の噛み合わせを作る」Organic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールの2つに相当していると想像されます。1つは、「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない」場合です。つまり、「奥歯にわずかに高くぶつかる歯=クギ」がある状態です。もう1つは、「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」場合です。どちらも、「患者様が通常、十分に自覚できない、見た目にもわからないわずかに高くぶつかる奥歯のある状態」です。これらの「悪い噛み合わせ」は、「あごの関節にてこ現象(シーソー現象)」を引き起こします。そして、顎関節症の原因になります。そのため、顎関節症状が、それほど気にならない方は、様子をみることもできますが、てこ現象(シーソー現象)は、歯とあごの関節の双方に症状を引き起こしますので、40歳以降に奥歯を歯周病や歯の破折によって失う可能性があるかもしれません。長く顎関節症を患っている方や、口元の歯並びが気になり矯正歯科治療を考えている方や、噛み合わせが気になっている方は、「三種の神器を使用した噛み合わせ検査」や「噛み合わせ治療」を行う、数少ないチャンスです。保険医療機関や矯正歯科専門医療機関では、通常、「三種の神器を使用した噛み合わせ検査」を行わないため、皆様の「噛み合わせ」は、「検査で根拠」も示されていない「噛み合わせ」なのです。皆様は人生の中で、一度も「噛み合わせ検査」を受けないまま「40歳以降の規定路線」として歯を失い、インプラントや良質の入れ歯を求めて彷徨うかもしれません。一度も十分な検査もないトンネルや道路が突然崩落するように、皆様の歯もある日突然、失われてしまう可能性があるのです。現在、顎関節症の原因は、端的に述べると「たとえ治療により症状が改善しなくても言い訳ができる何でもあり」の状態になっています。それは、皆様の歯科治療の窓口である保険医療機関が、「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」がなく、「検査で根拠」を持って「良い噛み合わせ」を皆様に提示していないことが原因と考えられます。皆様の噛み合わせは、「はいカチカチ噛んで」「高いですか?高くないですか?大丈夫ですね」という、非常に単純な、「何の根拠」もない、曖昧なやりとりで、「奥歯の悪い噛み合わせも十分自覚できない」皆様の感覚だけが認めた「噛み合わせ」なのです。TCH(歯の接触癖)を指摘された患者様は、是非当院に一度ご相談下さい。「三種の神器を用いた噛み合わせ検査」でOrganic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールに基ずき検査をして「根拠」をもって「噛み合わせの良し悪し」をお示しします。現在、TCH(歯の接触癖)の対処法として「張り紙法(リマインダー)」などが行われています。家の壁のいたるところに「歯を離す」と書いた紙を貼り付け、それを見た時に「歯の接触癖」の注意を喚起する手法です。しかし、実際には、これを長期間、正確に行うことは現実的ではないと思います。TCH(歯の接触癖)の原因は「悪い噛み合わせ」と考えられますので、「三種の神器を使用した噛み合わせ検査」「噛み合わせ治療」をお勧めします。私が、先日、毎月の定例勉強会に参加した際、40歳から、20年間もの長い間、TCH(歯の接触癖)の「張り紙法(リマイダー)」をまじめに取り組み続けた60歳の患者様の模型分析を見る機会がありました。その患者様は、ご自分の歯の接触癖に20年間まじめに取り組むため、舌を前に出し、常に、舌で上下の歯の接触を防止するように位置させた結果、以下の図のような開咬(前歯が噛まない歯並び)になってしまい、今なお、顎関節症に苦しみ続けている状態なのです。

結論として、TCH(歯の接触癖)=「悪い噛み合わせ」と考えられますので、顎関節症の原因になり、「噛み合わせ検査」「噛み合わせ治療」の対象であると思います。

2025年3月10日
著者:福永 矯正歯科・歯科口腔外科 院長 福永秀一
経歴:
1991年 明海大学歯学部卒業
1995年 明海大学歯学部大学院歯学研究科修了:歯学博士の学位取得
1998年 日本歯科麻酔学会認定医取得
1999年 日本口腔外科学会専門医取得
明海大学歯学部口腔外科学第一講座助手
2000年 明海大学歯学部口腔外科学第一講座講師
2002年 羽生総合病院口腔外科部長
2012年 IPSG包括歯科医療研究会VIP会員
2024年 福永 矯正歯科・歯科口腔外科 開設