顎関節症(首が回らない、顔が右に向けない!)
75歳、女性の患者様。右耳の後ろから下と、右あごから首の痛みで、紹介来院されました。首が回らない状態で、顔を右に向けるのがつらいようでした。口が開かない、開くとき痛いなどの、典型的な顎関節症状はありませんでした。患者様の自覚症状を改善するために「Organic Occlusionオーガニック・オクルージョン」を構築できるように、治療はご年齢を考慮して、ミクロン単位のかみ合わせの調整だけ行いました。
治療期間 | 7か月 |
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費用 | 70万円 |
来院時のお悩み
一見、口の中は、問題がないように見えました。しかし、右あごから首の痛みで、3年前より、かかりつけ歯科医院で、スプリント治療を受けていました。また、近所の整形外科で、右首に注射を受け、毎日、リハビリに通院。整形外科では、頚椎症と診断されていました。スプリントと、整形外科での治療による症状の改善がないため、紹介により来院されました。診査したところ、顔の表情では、左の口角が下がっており、鼻唇溝が深い状態でした。右側顎関節に雑音あり。しかし、開口量は、48.5mmで正常。 右下あご、肩、首の筋肉に圧痛があり、右に顔を向けることが困難な状態でした。
検査結果
咬合機能検査の結果、顎関節症と歯列不正がありました。また、咬合機能検査を行うと、Organic Occlusionオーガニック・オクルージョンの4つのルールの内、2つのルールに則していませんでした。
①身体の中心を基準に左右対称に歯が配置されていない。
②顎関節本来の軸で閉じると、奥歯がぶつかる。
②顎関節本来の軸で閉じると、奥歯がぶつかる。
治療内容
治療は、年齢をご考慮し、矯正歯科治療は行わず、「かみあわせの調整」だけをを行いました。そのため、「Organic Occlusionオーガニック・オクルージョン」のルール、身体の中心を基準に左右対称に歯を配置する変更は、十分にできませんでした。一方、顎関節の軸で閉じると、ぶつかる奥歯は調整し、すべての歯が同時に、同じ強さで接触するように調整しました。(実際には、過高な右7番目の歯を中心にエナメル質の範囲内で1mm前後の歯質をピンポイントに調整することにより右7番目の歯が、てこの支点になって、シーソーのように顎関節を揺さぶるのを防止しました。)すると、患者様の自覚症状、他覚所見は、共に改善することができました。
副作用・リスク
かみ合わせの調整を要する量が多い場合、歯にしみる症状が、一時的に生じる場合があります。
矯正後の結果
「Organic Occlusionオーガニック・オクルージョン」のルールがどのように変化したか?