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皆様が自覚できない4つの悪い噛み合わせ!

保健治療と矯正歯科治療に長年携わってきた還暦に近い健康オタクの歯科医師が明かす「噛み合わせ」の真実。  

皆様の90%は、永久歯が生え揃った時点で「複数の奥歯の悪い噛み合わせ」を組み合わせて持っています。しかし、皆様は、治療後(詰め物、被せ、矯正、インプラント)の歯(噛み合わせ)の違和感のように前後で比較するものが無いため、永久歯に最初から存在する「複数の奥歯の悪い噛み合わせ」を違和感として感じません。一方、皆様は多くの歯科医院のホームページを眺めていると「悪い噛み合わせ」が、前歯の歯列不正を指していると思うでしょう。これら医療機関のホームページで「悪い噛み合わせ」として説明されているものは、前歯の歯列不正(叢生、受け口、開咬、八重歯、出っ歯、乱ぐい歯、過蓋咬合)などです。これらの医療機関は、「見た目」の問題なら皆様が、お金を出してでも何とかしたいと考え「口元の前歯の歯並びをきれいにすれば、噛み合わせが良くなる」と皆様に錯覚を与えています!「噛み合わせ」を専門とする当院が考える「悪い噛み合わせ」は、「前歯の歯列不正」を指しません。本来「噛み合わせの良し悪し」とは「あごの関節の状態の良し悪し」を指すからであり「奥歯の悪い噛み合わせ」が、これに影響します。そのため、「奥歯の悪い噛み合わせ」が原因で「顎関節症」になるのは当然です。「噛み合わせ」の学問は、今から約1世紀も前に「ナソロジー」という名前で、アメリカ、カルファルニアで始まりました。1921年にナソロジーの創始者であるマッカラム先生が「噛み合わせ」の回転中心は「あごの関節」であると提唱したことは「噛み合わせ」と最も深く関わっている解剖学的部位が「あごの関節」であるということを意味してします。「噛み合わせ」の学問は、100年以上の歴史と伝統があります!なぜ、ほとんどの歯科医師が、正しい「悪い噛み合わせ」を知らないのでしょう?その理由は、保健治療制度にもあります。保険医療機関と、それに倣う自由診療の矯正歯科専門医療機関は、治療をリーズナブルに提供するため「噛み合わせ」に、ルールも検査もありません。なぜなら、これらの医療機関では「噛み合わせ」を決めるのは、皆様だからです!皆様は、「えっ、そうなの?」と思ったかもしれません。皆様は「噛み合わせ」において1~9は歯科医師が決めて、最終チェックの10を皆様が決めている位に考えていたかもしれません。しかし、その実際は、皆様が歯科医院でよく聞くやりとり「はい、カチカチ噛んで」「高いですか?高くないですか?大丈夫ですね!」がそれです。この口頭の簡単なやりとりで、ルールも検査も無く「皆様の一瞬の直感」で「噛み合わせ」は決まります。まさに、時短、手間いらずに決まるのです。そのため、これらの医療機関では、時短でリーズナブルに治療が提供できることを売りにして、歯で困った多くの皆様を治療しています。これらの医療機関と皆様が考えている共通の「噛み合わせのゴール」は、単に「違和感が無い」です。「感覚」「雰囲気」がゴールとなっているため、学術的なルールも検査も必要無く、皆様基準のルールになっており「違和感さえ無ければ、なんでも良いのです」。しかし、当院から言及すれば「奥歯の悪い噛み合わせ」は、そっくりそのまま残っています!皆様は、「悪い噛み合わせが何か?も知らず」「悪い噛み合わせに違和感を感じる事も無く」「専門家でもない」皆様が、「噛み合わせ」を一瞬の「感覚」で決めています。これらの医療機関の歯科医師は、皆様が単なる「感覚」で決めた「噛み合わせ」に一切関知しません!なぜなら、「違和感が無いことが、良い噛み合わせ」となっているため「違和感も無い」のに「悪い噛み合わせ」に言及すれば、皆様に「悪い噛み合わせ」の違和感を連想させてしまい、ひいては、自分の治療が「下手くそ」ということになってしまうからです。「違和感が無いことが、良い噛み合わせ」というゴールは、保険治療が始まってから半世紀以上に渡り、皆様と歯科医師の共通の神話を作り上げることに成功しました。そのため、ほとんどの歯科医師は、正しい「噛み合わせ」を理解していません。矯正歯科専門医療機関では、「見た目」「前歯の悪い歯並びを治すことが、噛み合わせを良くすること」と皆様に錯覚を与え、皆様は「見た目」をきれいにすれば「噛み合わせ」も勝手に良くなると勘違いしていることでしょう。しかし、実際の「悪い噛み合わせ」は、奥歯に発生しており「見た目に影響も無く、違和感も感じない」ため、皆様にとっては治療するモチベーションを感じないかもしれません。単に「違和感さえなければ、悪い噛み合わせ」は無いと皆様は勝手に解釈しています。しかし、皆様は感覚的に「体調が良い」と思っても、ガンや糖尿病や、心臓病がサイレント・キラーとして悪さするのを避けるため「健康診断」や「人間ドック」を受けているのです。一方、皆様の歯科治療の窓口である、これらの医療機関には「噛み合わせ」にルールも検査も無いため、サイレント・キラーは決して発見されることも無く、そのまま放置されているのです。「奥歯の悪い噛み合わせ」は、虫歯が無いのにしみる、痛む、歯周ポケットを深くする、ある日突然、歯が欠ける、割れるなど、様々な症状のサインを皆様に実は送っています。しかし、これらの医療機関の歯科医師と皆様は共通の神話「違和感が無い事は、悪い噛み合わせも無い」と考えているため「奥歯の悪い噛み合わせ」は常にスルーされ続けているのです!

「噛み合わせ」と「あごの関節」は、表裏一体の関係。

今から約1世紀前、アメリカ、カルフォルニアで、噛み合わせの学問は、ナソロジーという名前で始まりました。1921年、アメリカの歯科医師、マッカラム先生は、あごの関節が「噛み合わせ」のスタート・ポジションであることを提唱しました。これは、家のドアや下あごの様に回転して閉じるものには、軸があることを意味しています。「噛み合わせ」を検査することは、ドア枠に「クギ」が落ちていないかを調べることに似ています。閉鎖経路に「クギ」が落ちていれば、それが軸に近い程、ドアの軸を揺さぶるため、「クギ」の存在がドアの軸との調和を妨げていることになります。一方「噛み合わせ」にわずかに高くぶつかる奥歯があれば「クギ」同様、てこの原理で「あごの関節」を揺さぶるため、噛み合わせとあごの関節との調和が悪くなります。これが「噛み合わせの学問」です。このことは、「噛み合わせ」が原因で「顎関節症」が発症することも意味しています。そのため、直接目で見える「噛み合わせ」と、直接目で見えない「あごの関節」は、表裏一体の関係にあると言えます。「良い噛み合わせ」かどうかの答えは、唯一「三種の神器を用いた検査」で「あごの関節」の状態を証明し「見える化」することができるのです!
(下図は、「噛み合わせ」のスタート・ポジションが、「あごの関節」であることを示す図です。)

つまり、「噛み合わせ」は、「家のドア」と一緒で、回転して閉じる物には「軸」があるのです!
(下図は、「家のドア」のスタート・ポジションが「ドアの軸」であることを示す図です。)

そして、「良い噛み合わせ」とは、ドアの閉鎖経路を邪魔する「クギ」のない状態です。「噛み合わせ」でいうと、わずかに高くぶつかる奥歯のない状態です。
(下図は、「悪い噛み合わせ」下あごの閉鎖経路を邪魔する「わずかに高くぶつかる奥歯:クギ」のある状態、噛み合わせとあごの関節が調和していない状態を示します。)

そのような理由から狭義の「噛み合わせ」とは、以下のような状態を指すものではありません!

皆様が自覚できない悪い噛み合わせ①「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない」

約1世紀前に始まった、噛み合わせの学問:ナソロジー発祥の歴史と伝統のある当院の治療コンセプトOrganic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールが示す4つの悪い噛み合わせを、皆様は残念ながら自覚することができません。研究によると、人の10人に9人は、永久歯が生え揃った段階で、これからご説明する4つの悪い噛み合わせが、種々に組み合わさって存在していると言われています。そのため、ほぼすべての人が、元々、噛み合わせ治療の対象であるとも言えます。そして、高度にビジネス化された、現代の保険医療機関、矯正歯科専門医療機関では、4つの悪い噛み合わせが、検査、評価、治療の対象となっていません!そのため、これら4つの悪い噛み合わせは、元来、口の中にあるものの、自分でも気が付かず、治療に行っても気付いてもらうことができず、口の中に残ったままになっているのです。ここでは、4つの悪い噛み合わせの内、最も重要な1つ「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない」をご説明します。専門的には、中心位と中心咬合位が一致していないといわれています。矯正歯科治療では、すべての歯を移動しているため、この悪い噛み合わせがすべての歯科治療の中で最も発症しやすい治療です。実際、矯正力による歯の移動のレベルで「すべての歯を同時に同じ強さで接触させる」ことは、非常に困難なのです。患者様が「違和感のないレベル」で、噛み合わせとあごの関節を同時にズラして、噛み合わせの最大接触面積を得るためにフィットさせることは可能なのです。しかし、噛み合わせとあごの関節を同時にズラしたことによって顎関節症になってしまうことがあります。

そのため、人が最も快適に噛むことができ、人の体幹に重要な関節の軸がズレないように、あごの関節の軸で噛み合わせを記録し、作ることは重要なのです。しかし、これには噛み合わせの専門的な知識と技術を要するため、時間を要し「クギ」を取り除く様に、健康な歯のわずかに高くぶつかる部分を削って調整する必要があります。しかし、矯正歯科専門医療機関は、この悪い噛み合わせを検査、評価、治療の対象としていないため、「クギ」を残した状態で治療を終えています。矯正歯科治療後に、「顎関節症」「全身の不調和」を生じやすいのは、そのためです。また、40歳以降「歯周病と歯の破折」で歯を失いやすい状態になります。
(下写真は、現代の歯科治療では、通常、行われていない「三種の神器(フェイスボー、関節の軸で噛み合わせを記録したワックス、咬合器)を使用した噛み合わせ検査」で唯一発見することができたスクープ写真、わずかに高くぶつかる奥歯を捉えた写真です。この写真の患者様は、顎関節症で、このわずかに高くぶつかる奥歯の存在を自覚していませんでした!)

(下写真は、この患者様が、しっかり噛みしめた時の写真で、下あごの歯とあごの関節は、上の写真の後、一緒ズレて、すべての歯が噛み合わさっています。閉鎖経路を邪魔する左奥歯の存在は隠れてしまっています。このように顎関節症の原因のわずかに高くぶつかる歯の存在を明らかにするには、関節の軸で正確に噛み合わせを記録する技術が必要です!)

次に示す動画は、三種の神器を使用して噛み合わせ検査を行った模型分析を示します。(YouTube6分の動画)この動画では、この項目の悪い噛み合わせ「すべての歯が同時に同じ強さで接触していない」と次の項目の「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」という「4つの悪い噛み合わせ」の内の2つを説明しています。

皆様が自覚できない悪い噛み合わせ②「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」

これも、「噛み合わせ」の学問:ナソロジーが提唱するOrganic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールの1つです。専門的には、「アンテリアガイダンス」がないと呼ばれています。歯ぎしりは食物をすり潰すのと関連するため、奥歯がぶつかり続けるのは当然と皆様は、想像するかもしれません。しかし、理想的には歯ぎしりする時、奥歯がぶつかるのは真っ直ぐ閉じた位置に戻ってきた時だけなのです。もし、ぶつかる奥歯があると、横殴りの力で上下の奥歯同士が互いに破壊し合います。そして、歯周病や破折を引き起こし、1本の歯を失っても、ぶつかる奥歯が無くなるまで標的の歯を変えて、根こそぎ奥歯を失います。同時に、ぶつかる奥歯は前歯と顎関節の中間で、てこの支点となり、てこ現象(シーソー現象)を引き起こし、顎関節症の原因となります。おろし金やすり鉢など、他方がやわらかい野菜やゴマであれば、安全にこすり合わすことができますが、凹凸のある、せともの同士や、金属同士をすり合わせれば、傷害的に作用することが想像されるます。奥歯がぶつからないためには、歯ぎしりした時、前歯が常にあたり続ける必要があります。歯ぎしりした時、前歯には、奥歯を守る機能があるべきなのです。前歯には凹凸はなく、噛む力も奥歯より弱いということが、前歯が奥歯を守る上で都合が良いのです。
(下写真は、当院噛み合わせ矯正歯科治療前の「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がある」患者様の口腔内写真です。患者様は、この悪い噛み合わせを自覚していませんでした。顎関節症のある患者様でした。)

(下写真の噛み合わせ矯正歯科治療前の夜間の歯ぎしり検査では、セルロイドの赤い部分が剥がれて、その部分に横殴りの力が加わっているのが理解できます。その部分より歯が欠ける、割れる、歯周病の進行が始まるのです!)

(下写真は、当院噛み合わせ矯正歯科治療後の「歯ぎしりすると、ぶつかる奥歯がない」状態です。犬歯が最後まで、あたり続けることで、奥歯がぶつからないようにコントロールしています。)

(下写真は、噛み合わせ矯正歯科治療後の夜間の歯ぎしり検査では、奥歯のセルロイドの赤い部分が剥がれていません。そして、犬歯の部分だけで歯ぎしりを受け止めいるのです!)

皆様の自覚できない悪い噛み合わせ③「奥歯がルールに従って噛み合わさっていない!」

これも、「噛み合わせ」の学問:ナソロジーが提唱するOrganic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールの1つです。専門的には、カスプアンドフォッサと呼ばれています。奥歯には凹凸があります。この凹凸がしっかりはまり込む位置には、ルールがあります。それにより、歯の長軸へ噛む力を逃がし、噛み合わせが安定し矯正歯科治療後の後戻りを予防します。従来の矯正歯科治療は、外側から眺めて治療をするため以下のような状態に噛み合ってしまう場合があります。歯の噛み合わせは、噛み合った模型を内側から眺めて見なければ、わからないのです!また、安定した奥歯のかみ合わせの高さは、前歯や顎関節を守ります。この状態を作ることができるのは、治療中に繰り返し「三種の神器を用いた噛み合わせの検査」を行い正確にアップデートしているからなのです。
(下写真は、当院噛み合わせ矯正歯科治療前の外側から見た写真と、模型分析で内側から示した写真です。噛み合わせは、内側から眺めなければ、全く見当違いな場合があるとわかります!)


(下写真は、当院噛み合わせ矯正歯科治療後の外側から見た写真と、模型分析で内側から見た写真です。


次にこのルールに関する約1分のYouTubeの動画をお示しします。

皆様の自覚できない悪い噛み合わせ④「身体の中心から見て、左右対称に歯とあごが配置されていない!」

(このルールは、オリジナルのOrganic Occlusionオーガニック・オクルージョンのルールではありません。当院の「噛み合わせ矯正歯科治療」のために追加した重要なルールです。)頭部はボーリング球と同程度の重さがあるため、上あごの平面が傾斜していたり、下あごの位置が非対称性の場合、頭部の重さはそのまま、姿勢や肩こり・お顔の非対称や歪みなどを引き起こす場合があります。フェイスボー、咬合器を使用することにより、身体の正中を咬合器にコピーすることができます。その「根拠」をもとに、歯の平面のあごの非対称、お顔の非対称を治療中に繰り返し評価し、この自覚できない悪い噛み合わせをアップデートしながら噛み合わせ矯正歯科治療で改善します!
(下図は、上あごの平面の傾斜が、下あごのオトガイの位置に影響を及ぼすことを示しています)

(下写真は、当院噛み合わせ矯正歯科治療で、上あごの平面の傾斜を修正し、オトガイの位置を可及的に改善したケースを示します。)

(下写真は、当院噛み合わせ矯正歯科治療前の上あごの平面の傾斜を示します)

(下写真は、当院噛み合わせ矯正歯科治療後の上あごの平面の傾斜を改善したもの)

次の動画は、当院、噛み合わせ矯正歯科治療中の皆様が自覚できない悪い噛み合わせ②③④を模型分析で評価しているYouTubeの3分の動画です。

ここまでご説明してきた「皆様が自覚できないたった4つの悪い噛み合わせ」ですが、①②③④の中でも狭義の「噛み合わせ」という意味では、①と②だけを指すことになります。③と④は、狭義の意味では「歯並び」という表現になるでしょう。
この記事の執筆者:福永 矯正歯科・歯科口腔外科 院長:福永秀一

経歴:
1991年 明海大学歯学部卒業
1995年 明海大学歯学部大学院歯学研究科修了:歯学博士の学位取得
1998年 日本歯科麻酔学会認定医取得
1999年 日本口腔外科学会専門医取得
明海大学歯学部口腔外科学第一講座助手
2000年 明海大学歯学部口腔外科学第一講座講師
2002年 羽生総合病院口腔外科部長
2012年 IPSG包括歯科医療研究会VIP会員
2024年 福永 矯正歯科・歯科口腔外科 開設